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ハチミツ

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この本は良い!~戦場の兵士の心理に関しての本~

今もWOWOWで毎週火曜に放送中のイラク戦争ドラマ「ジェネレーション・キル」では、イラクの戦場で兵士たちがどう感じたり、生活しているのかという日常のリアルさが描かれているのがとっても面白いです。
今まで何度かこのブログでもその感想を書きましたが、イラク戦争の実態を知るという上では、
第82回アカデミー賞を受賞したイラクでのアメリカ軍爆弾処理班の映画「ハート・ロッカー」よりずっと良いドラマです!
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さて、この「ジェネレーション・キル」を見て、リアルな戦場の兵士というのに興味がわきまして、
それに関する本を探したのですが、久しぶりに読んで感動する良書を見つけました!
あまりに内容が良かったので紹介したいと思います!

それは米国で最も権威のある賞、ピューリツアー賞の候補にもなった
デーヴ・グロスマンの「戦場における人殺しの心理学」という本です。

ピューリツア賞の本といえば、昔ジョン・ダワーの「敗北を抱きしめて」という良書を読んで第二次大戦史観が変わる感動をしましたが、
さすがそのピューリツア賞の候補になったなだけに、このデーヴ・グロスマンの本もとても興味深くて面白いです!!

「第二次大戦中の兵士の発砲率は15%~20%で、ほとんどの兵士は銃を撃たなかった」
という、衝撃の調査結果から話が始まり、
人は心理的に、殺人を強烈に嫌悪して、とても人を殺すことはできない。たとえ自分の命が脅かされても」という人間の本質を指摘し、兵士の証言を多数引用してその実例を並べます。
この実例を読むと感動せずにはいられません!
人間性の善良さと誇りと希望を感じるところです!!

でも、この人間の本質的心理は、科学的に研究され、
「いかにして兵士に心理的負担を感じさせずに人殺しをさせるか」が追求された結果
その心理的抵抗を科学的に”外す”知識を得たせいで、
「訓練により、ベトナム戦争時には、兵士の発砲率が90%~95%になった」という恐ろしい話も書かれているのです!

第二次世界大戦中の兵士は、ほとんど発砲しなかったのに、それでもあれほどの犠牲者や損害があった。
近代兵器の威力の恐ろしさがそれで知れますが、
ベトナム戦争以後の兵士は、訓練により発砲率がほぼ90%以上、兵器の殺傷能力も第二次大戦よりも格段に発達していると知ると、もう、とても怖い!!(><;)
さんざん戦争ものの本やら映画で第二次大戦中の人の非人間性を知ってきましたが、まだ当時の兵士のほうが今よりも人間的だったなんて知れば、怖すぎる!!

ちなみにその訓練とは、
①敵との間にあらゆる心理的な距離(これには種類がいくつもある)を持たせ、敵を憎み非人格化すること。
②敵に似せた人型の的を撃つシュミレーションをして、敵を撃つことを条件付けすること。

上記が殺人を容易にする方法としての大まかな訓練内容ですが、①は不思議に思わなかった。
昔から敵を犬畜生以下に考えるのはよくあることですからね。
でも、それでも敵を撃てない兵士が多かった。
だから、②の訓練が決定的に発砲率に違いを生むという事にびっくりしました!
パブロフの犬的な条件付けって恐ろしい!(><;)

でも、何よりこの本で知ってゾッとしたのは、
①も②の訓練も、日常でメディアや映画やテレビゲームが一般人に提供しているということ!!


特に②に関しては、人を撃つシュミレーション系のリアルなゲームは、軍事訓練とまったく同じ攻撃性増幅訓練をしていることになるのです。特にゲームセンターの体感型の射撃ゲーム!

でもそういえば、テレビで、現代の兵士勧誘の人は戦闘シュミレーションゲームで高得点を取る若者を特に勧誘するという話をちらっと聞いた覚えがあります。今なら理由にはとっても納得します!
それに、今までテレビ等の暴力シーンの視聴で人の攻撃的行動が増加するという話も耳にしてきましたが、この本を読んでその理由も理屈もとてもよく分かりました。映像による洗脳は甘くみてはいけないです!

さて、この本が特に指摘するのは、
人への影響で問題なのは、テレビ等の暴力シーンが暴力を快感に感じさせ、かっこよい美徳に思わせるものが多いということ。この快感刺激による条件付けは、理屈じゃなくて反射的反応を仕込むところが大問題で、人間らしい性質は、この条件付けによって麻痺するんだそうです。

そして、さらに大問題なのは、軍隊では兵士は服従訓練もしているけれど、テレビ等に影響された人には服従訓練などされていないことだというのです。つまり、だれの命令も聞かない殺し屋が生み出されるということです。
アメリカで暴力殺傷事件が、近年、昔に比べて圧倒的に増えているのは、日常に視聴するテレビによる攻撃性の条件付け(洗脳)だというのです。

確かに、ハリウッド系の映画は「ランボー」とか「ジェームズ・ボンド」とかで暴力を快感的にして美化しています。しかも、映画では、アウトローの不法者がヒーローというのも多い。
法を守らず、私的な感情で、力を振るうヒーローものも多い。
そうゆう映画や番組を日常的に見ていると、意識しなくても、このやり方が正しいと思うイメージを持ってもおかしくありません。

一回見たぐらいで条件付け(洗脳)はされないのですが、
このテレビ等の暴力シーン映像を日常的に見ていると攻撃的な人格に洗脳されるということは、子供を持っている方は特に知っている必要があると思います。

この著者は、20年以上軍にいて、たたき上げで陸軍中佐になり、あの過酷なレンジャー部隊にも所属し、教官として兵士の指導もした軍事のエキスパート。その上、大学で歴史学、大学院では心理学を専攻したという学者でもあるので、経験と知識があって本当にこの指摘は説得力があります。

2004年に日本で出版されたという古い本ですが、今でも話の状況は変わらない、
それどころか指摘する問題の重要性は、今のシュミレーション技術の進歩から言って、さらに高まっていると思います。
一読する価値はあると思いますよ!

それから、この本では、戦場での兵士の心情や戦場から戻ってきた後の兵士の苦しみやPTSD症状について、たくさんのインタビューや資料を引き合いにして紹介していますし、第一次大戦や第二次大戦やベトナム戦争などのアメリカの兵士やその他の国の兵士が、どう戦場で感じていたのか何を思っていたのかということも紹介してあるので知ることができます。
戦争の実態を兵士の側から理解する本としても良書だと思います!
戦争映画やドラマの嘘(脚色)にも気づけるので、興味のある方はぜひ一読してみてくださいませ。
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| | 2011/03/14 14:00 | |















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